2009年7月29日水曜日

お年寄りの行動

大西です。

 僕は、高齢者福祉施設で勤務しています。そんな中、当ABA研に参加させてもらうようになり特別支援学校の先生方の取り組み(ABA的介入など)を月例会等で聞いて勉強しています。

 そこでの介入を聞いていると、高齢者にも全く同様の介入ができるんじゃないかと考えつきました。そこで、塵つも型行動(塵も積もれば山となる型)である筋トレにて負荷値を上げられたら好子を出現させられるような方法で介入したところ負荷も上がり、身体能力も向上しました。さらに、幸運なことにその介入がABAの本にも載せていただけることになるといった、僕にとって最大級の好子も出現しました。その本は、これです。そして、文章にはできていませんが、高齢者にもABAの介入は非常に有効なことは間違いないと思っています。

しかし、特別支援教育と大きな違いが2つあります。それは、

1.認知症の方は、標的行動に対して強化しても忘れてしまうので自己内在型の強化刺激へと移行しにくいこと

2.高齢者を指導しているのではなくケアしているので、構造化など含め介入が制限される(たとえば、段ボールで部屋を区切ったりできない もちろん同様のことは特別支援教育にもあると思いますが)

の2つです。

 ただ、僕は、高齢者介護の世界でABAが認知され、有効活用することにより、今よりも介護士の技術が向上し、ストレスも減少し、社会的地位も向上しするのではないかと思っています。来るべき超高齢化社会に向けて、崩れゆく介護制度の中で 記録の取り方、カンファレンスの進め方、機能訓練の仕方などABA研究会のしくみを取り入れるだけでもずいぶんと変わってくると思います。

 なので、ABAをもっと勉強し人に教え伝えられるようになりたいと思っています。来週開催予定のサマースクールも志高い先生方の集まりなので、とっても楽しみです。

 

2009年7月6日月曜日

人気

大西です。

 石原裕次郎さん(享年52)の二十三回忌法要が、国立競技場(東京都新宿区)で営まれ、徹夜組600人を含めファン約11万7千人が献花に訪れたそうです。国立競技場を10日間貸り切り、お墓のある横浜・総持寺から本尊 の お釈迦様 を移動して まで裕次郎さん をしのぶそうです。総費用は10億円を超えるそうで、実際に現場をみたわけではありませんが11万人が国立競技場へ足を運ぶ行動をするのですから、相当な動員がかかっているとしてもこれはすごいことです。お亡くなりになり23年が経過しているのですよ。

 最近では、忌野清志郎さんの葬儀に4万2000人が参列したり、過去の著名人の葬儀等では、XJAPANのhideさんの5万人(平成10年、築地本願寺)、美空ひばりさんの4万2000人(平成元年、青山葬儀所)、ZARDの坂井泉水さんの4万人(平成19年、青山葬儀所)、尾崎豊さんの3万7000人(平成4年、護国寺)などがいますが、ほとんど歌手です。石原裕次郎さんも歌をうたっていました。

 ということを考えていましたら、歌(音楽)っていうのはすごい力があるんじゃないかなって思いました。

 卒業式に蛍の光や贈る言葉などを聞くだけでなんだか胸に思いがこみ上げてきますよね。心理学や行動分析学的に考察することは今の僕の知識では少し難しいのですが、人それぞれに、その音楽についての思い出や感情があり、その曲を聴いたり、歌っている歌手を見るとその状況や感情と重なり強力な好子になるんじゃないかなって思います。だから、その歌手が亡くなることで、歌っている姿が見えなくなってしまうので、その好子が消失してしまう名残惜しさによる強化行動で献花にいく行動が出現しやすいのかなぁとか思います。(バーストなのかも?)

 ただ、僕は幼いときに裕次郎さんを西部警察の再々放送くらいで見て知っているくらいなので、現役の裕次郎さんを知りません。今でいうと、スマップと福山雅治とオダギリジョーと小栗旬あたりをひとまとめにしてもかなわないほどの人気だったと聞いています。いわば、裕次郎さん現役世代にとっては、神様(教祖様)みたいなものではないでしょうか。

 こういった、集団の強化子を理解できるようになったらABAももっと楽しくなるに違いないと思います。何故、11万人がそこへ行くのか不思議に思ったので書かせてもらいました。