2008年12月29日月曜日

学び手のためのインストラクション

インストラクションとは、何かの行動を引き出すきっかけのことです。

    たとえば、朝 ゴミを玄関先の収集場まで持っていく(←何かの行動) のをよく忘れる人がいるとします。そのためには、玄関に 『ゴミを捨てる!!』 と紙に書いて貼っておくことや ゴミを夜のうちに玄関に置いておくことで 朝 ゴミを収集場まで持っていく行動が引き出されます。  

 以前、大阪の IKEA鶴浜 という所に夫婦でショッピングに行きました。IKEAとは、スウェーデンの独創的な 大規模 家具・雑貨販売店です。店の説明は、さておき 
そこで こんな書類置きを購入しました。


 ここの商品は、少しでも販売コストを下げるため や 持って帰りやすいよう(送付もしやすいよう)に、自分で組み立てることが条件です。   もし、組み立てるのが
難しければ(嫌悪刺激の出現) いくら安くても購入行動は減少する事が予想されますし、これどうやって作ればいいの?などの問い合わせが多くなり 結局コストが増えることも予想されます。  なので、自分で組み立てられるといった行動を引き出すためのインストラクションがとても重要になってきます。

 この商品は、僕にとって簡単に組み立てられました。  

しかしexclamation ×2  それ以上に驚いたのは、先ほどの行動を引き出すインストラクションとしての説明書でした。


ドライバーを用意。分からなければTEL。

※このブログを読むインストラクションとしてせっかくの説明書の図が小さいと思いましたので大きくさせていただきました。すみませんm(_ _)m

人に伝えるために必要のない情報が、皆無でした。さすが。

2008年12月27日土曜日

問題行動の原因は推定する必要はない?

いのこです。
12月26日に,阿南養護学校で開催された山本淳一先生の講演会に参加してきました。
山本先生といえば,応用行動分析の立場から特別支援教育に対して様々なアイデアを提案して下さる,日本のオピニオンリーダーの1人です。
講演内容は,発達障害に対する理解と支援をABAの立場から提案しようというもの。徳島ABA研究会が目指していることとも,ぴったり一致する内容でした。

講演内容は盛りだくさんで,示唆に富む内容が多くありました。
“「できる」をのばす”という分かりやすいキーワードで,問題行動に代わる適切行動に注目させるというアイデアは,ぜひ参考にしたい一番のポイントです。

問題行動に代わる適切行動の発見は,特別支援教育の専門家でもけっこう難しい事柄の1つで,いわゆる「経験と勘」が必要な「名人芸」の領域といわれています。
徳島ABA研のサマースクールでは,この名人芸を課題分析して,われわれ一般人でも適切行動を見つけるための教材を作成しようとしていますが,まだ開発途上です。

適切行動の発見の方法について,山本先生の講演の中で生じた疑問がありました。
山本先生は「適切行動の発見のためには,問題行動の原因推定はあまり役立たない」と述べられました。
しかし,これまでABA研で提案してきた方法は,「適切行動の発見のために,問題行動の原因をたくさん推定する」ことでした。
第1の疑問は,この矛盾する条件のどちらが正しいのか(=適切行動発見に有効か)?です。

実は上記については,山本先生と前日の晩に食事した時に,「シビアな発達障害児においては問題行動の機能分析を詳細に行うが,通常学級に在籍するような比較的軽微な発達障害においては問題行動には様々な機能が同時に効いている場合が多い(いわゆる多重制御)ので詳細に分析しても解決策が出にくい」という主旨の解説を伺いました。
この解説が妥当だとして,そこで生じた第2の疑問,問題行動にどのぐらい(何種類ぐらい)多重的な機能制御が予想された時,問題行動の原因推定をやめ,適切行動の発見へと切り替えるべきなのか?

何となく2つの疑問とも,どれが正解というようなタイプの解が見つかるのではなくて,有効と思われる解を見つけるための選択肢が増える,というような結論になりそうな予感がしますが。

山本先生が提案する行動問題を分析する3種類のシートは,適切行動を見つけるための手順のアイデアとしてぜひ教材作成の参考にしたいと思い,講演終了後に早速山本先生の許可をいただきました。
来年のサマースクールや保育士研修にむけて,教材化してみようと思います。

いろいろな疑問や着想を得ることができた,山本先生の講演会でした。
山本先生,阿南養護の皆さん,本当にありがとうございました。

2008年12月26日金曜日

男性用トイレ

先日、徳島でコンサートや催し物が開催される大きな施設へ行ったときの話です。
 そこは、大きな会場なので、両サイドに20~30以上も小便器が設置されているトイレがあり、きれいに掃除も行き届いており気持ちよく使用することができました。

 今回は、女性には分からない話ではありますが 男性が小便器を使用する際のABC分析をしてみたのでみなさん聞いてください。

男性用のトイレを使用する際に、嫌子となるものの一つには 汚れている ということが挙げられます。汚れているとはどういう事か説明すると、男性用トイレに近づいた際、よく足場に水分が落ちていることがあるのです。おそらく前に使用した人がこぼしたのではないかと思われますが、こういったトイレを使用するのであれば、水分の散っていないきれいな方のトイレを使いたくなるのは当然です。さらには、それを掃除する方の手間にもなり 男性が小便器を使用する際には、こぼしたり、散らしたりする行動はぜひ減らしたい行動です。

前からちらほら見かけるので、気にはなっていたのですが、その施設で使用したトイレには 皆さんもみたことがあると思いますこのような介入がありました。小便器の中にこんなマークが書いてあるのです。


 想像ですが、このマークの所に用を足せばふちからこぼれたりだとか、飛び散ったりすることが減少するのだと思われます。

以前にどこかの高速パーキングエリアのトイレで見かけた際には、物珍しくてこのマークの所にかけた記憶があります。そういう意味では、僕にとってマークにかける行動をうまく引き出せている成功例だと思います。皆さんはどうでしょうか?

ただ!!

この施設においては、その機能がまったく機能しないのです。

なぜかというと 僕目線で用を足す際に撮った写真です。これを見てください。


 

用を足す時には目標が見えないのです・・・

どんなに、すばらしいアイデアも ※学び手はすべて正しい という考え方を持たないと自己満足で終わってしまうことがよく分かった一コマでした。

学び手はすべて正しい  とは、徳島ABA研究会のサマースクールにおけるモットーです。字のごとく、学び手は、教えたいことをこちらの思っているように受け取ってはくれない、受け取ってくれないのが悪いのではなくて 教え方が適切ではないからだ という意味です。

 

2008年12月17日水曜日

好子とは

好子は こうし と読みます。

 こうし といえば 一般的にイメージするのが こうし ですよね。 僕も初めはそうでしたが違います。

簡単にいうと 何かを行った後に出現する 出来事 や 物 によりその行動をする機会が増えた場合 その 出来事 や  のことを差します。

 例えば、3台ある自動販売機の一番右でジュースを買ったときにおつりが余分に出てきた場合。

その一番右の自販機で買う行動は、明日も明後日もすると思います。増えた場合は、その余分なおつりは 好子 である ということになります。

しかし、人によっては余分なおつりを頂戴することが嫌いな人もいるかと思います。その人にとっては、一番右の自販機で買うことが減るかもしれません。 同じ余分なおつりでも、行動が増えないと好子とは言えない点がポイントです。

 ちなみに僕は前者ですが、最近の自販機はなかなか余計なおつりは出ないような設定になっているみたいです。

 徳島ABA研究会のブロガーにとって、このブログを書く行動を増やす好子となるのは、皆さんのコメントです。

 コメントしていただければうれしいです。お願いします(^^)

2008年12月15日月曜日

ブログ投稿者に登録しました。

いのこです。
いちいちabakentokushimaのアカウントでログインするのが面倒なので,自分のGoogleアカウントで投稿できるように,登録しちゃいました。
結構簡単です。
Google恐るべし。

大西さん,田中さんも,登録したら?
100人まで,投稿者を設定できるようですよ。

山ちゃんも誘ったらどうかな。

このブログについて

このブログは、徳島ABA研究会 のメンバーにより 日々の出来事や取り組みを  ※ABC分析  したり、行動分析学に基づき徒然なるままに書き綴るためのものです。

 特に、皆様に読んでいただきコメントをいただくことで行動分析学の力をアップさせたいという思いから始めました。

 コメントをいただくことは、我々にとって  ※好子(こうし)  になるので賞賛や逆に叱咤激励もいただけたらと思います。

 どうかよろしくお願いいたします(^^)

※この2つについては、後日ブログにて用語説明させていただきます。