2009年3月27日金曜日

共通言語

tanakaです。

今年度も、もうすぐ終わりです。
この1年間、同じクラスをK先生と一緒に担当させてもらいました。
K先生は、徳島ABA研究会主催のサマースクール初級コースに参加したことがあります。

そのせいもあって、この1年間はABAに関する用語をたくさん使えました。
問題行動を起こしている時は、「注目を与えないで消去しましょう」とか、「この良い行動は思いきり強化しましょう」とか。「今の行動はバーストだから、すぐに反応せずに見守りましょう」とか。その他にもトークンエコノミーシステムやプロンプト、好子、嫌子などなど。

チームでこうした『共通言語』が使えるのは本当に助かりました。行動の原理原則にあった指導ができました。このおかげで、この1年間子どもは本当によく伸びました。

ある子どもは、6月の1週間の問題行動(叩く、走り出す、暴言、私語など)数が196回でした。しかし、3月初旬には23回まで減りました。

ある子どもは掛け算の九九を習得しました。ある子どもは、朝の活動中の私語がなくなり、朝の活動をスムーズに進められるようになりました。

ABAの共通言語を使って指導した結果、大きな成果がでた1年間でした。
共通言語があるということはとっても、大事だなぁと実感した1年間でした。そして、何よりも子どもの行動が「変わった」、「できた」を実感できたことが私たちの好子になった1年間でした。

2009年3月21日土曜日

チャレンジ日記と汽車旅行

tanakaです。
春の講座が終わり、ホッとしていたら‥。卒業式練習や通知表の時期になり慌ただしい毎日です。

私のクラスではA君が毎日「チャレンジ日記」をつけています。チャレンジ日記は、学校や家庭でチャレンジしたことを書く日記です。1ページには4つのチャレンジが書き込めます。例えば、

■洗濯たたみ
■宿題のプリント2枚
■朝6:30に起きる
■声の大きさ1で話す
■お父さんが帰ってきたら「お帰りなさい」と言う

など色々です。チャレンジできたら先生やお母さんの合格印がもらえます。これは、富山大学の附属養護学校が実践されていて効果をあげています。書籍もたくさん出ています。

さて、今回このAくんのチャレンジ日記が100枚たまりました。何と、この1年で400個のチャレンジに挑んだことになります。素晴らしい!!

チャレンジ日記が100枚たまったご褒美は、「徳島駅までの汽車旅行」です。その汽車旅行にも行ってきました。100枚たまったことを褒めながら、徳島駅までの汽車旅行を楽しみました。徳島に着いたら、トンカツを食べたり、そごうで遊んだり、公園で鬼ごっこをしました。次は200枚ためると言って、張り切っています。

親御さんもチャレンジ日記が励みになり、Aくんが毎日頑張ってくれると言ってくれました。100枚たまると日記もなかなか重みがでてきます。A君は100枚をぱらぱらめくりながら本当に嬉しそうです。頑張った成果が目で見えるって大事ですねぇ。
(^^)/

2009年3月19日木曜日

楽天市場のトークンシステム

大西です。

 みなさんは楽天市場を利用したことがありますか?この大不況の中、売上高・営業利益が過去最高になっているというショッピングサイトです。数年前にプロ野球球団の新規参入の際、ホリエモンを応援していたのに横から出てきて参入を勝ち取ったので 『絶対に楽天なんか利用しないぞ!』 という強い意志を持っていましたが、いつのまにか楽天市場で買い物やホテル予約、高速バス・飛行機予約までしてしまっている有様です。

 これは何かというと貯まりやすいポイントシステムと商品の多さにあると考えています。楽天市場は、前述のとおり何でも取り扱っており、市場に出品している会社同士が競い合うのでそこらの店で買うよりも安いのです。その上、ヤマダ電機のように利用料金がポイントでキャッシュバックされます。ポイント10倍なんて時もあり、商品代金の10%が翌月に利用できます。たとえば、1万円のものを10倍のときに買うと1000円のものが無料で買えるのです。ヤマダ電機で1000円分のポイントをもらってもあまり使い道が少ないと思いますが、楽天市場では1000円もあれば欲しい本もタダ同然で購入できます。(ちなみに今楽天bookでは送料無料ポイント10倍セールをやっています)

この味を一回味わってしまうと、もう抜けられません。ポイントで無料で買い物ができるということがバックアップ好子となりそのポイントをためたくて仕方がなくなるのです。しかも、そのポイントシステムは実によくできていますので、例をあげますと

◎楽天キャッシュカードを作成するともれなく5000ポイント
◎そのカードを利用して決済するとポイント1%上乗せ
◎利用頻度により楽天会員の位が上がりポイント率が上がる
◎楽天トラベル、ブックス、携帯での利用など複数場所で購入するとポイント率アップ
◎アンケートでポイント
◎金曜日はポイント3倍

など、実に巧妙な手口でポイントを貯めさるために買い物へと導いてくれるのです。たとえばamazonと同じポイント付与率でも楽天ポイントに上乗せされるので楽天で買おうと思うし、ついついあまり必要の無いものも買ってしまいます。

 ってなわけで、楽天市場が行っている商品を買ってもらう行動に対するトークンシステムを用いた介入は、大西にとって非常に有用で消費率は有意(p<0.001)に向上しているのでした。

2009年3月13日金曜日

忘れ物!春の講座にて


3/7(土)開催の,春の特別講座にて,以下の忘れ物がありました。

・ウールのひざ掛け(色は紺,チェック柄)

お心当たりの方は,附属特別支援学校(088-653-0151)猪子まで,ご連絡下さい。

2009年3月7日土曜日

春の講座が終了し考えたこと

大西です。

 本日春の講座が終了しました。ポスター発表された先生方、責任者の先生お疲れ様でした。それに、道城先生ご後援ありがとうございました。非常に有意義な一日となりました。

 このブログはABA研究会なので春の講座で気になったことをABC分析してみたいと思います。

それは、『ポスター発表する』という行動です。今回のポスター発表は30件ほどありましたが、そのうち10件はABA件スタッフのものでしたが多くは初めて発表する先生が多かったと思います。なぜ、ポスター発表をすることを不思議に思うのかと言われるかもしれませんが、僕の職業(理学療法士)ではほとんどの人が発表することを嫌がるのです。毎年、県学会でも発表者が足りず内々で補充し合うほどなのです。だからこそ、なぜ特別支援学校の先生は発表をするのかとても興味があるのです。今日は、すべての発表を見させていただき、質問しても発表者の先生はとってもやる気で、やらされている先生はいないようにも感じました。ほんとにすごいことだと思います。

 僕が考える発表することの嫌子になりうることを挙げると
●色々準備が大変(しないほうが楽)
●本番で緊張する
発表に対する質問にうまく答えられない 恥をかく

などが、考えられます。とくに太文字の発表に対する質問にうまく答えられない 恥をかくというのが一番の嫌子ではないのかなと考えています。僕の職業では知識を自慢するような心ない質問が多いのも事実です。しかし、春の講座はどうでしょうか、発表者も質問者も皆生徒の問題を解決するために行動分析学を用い一生懸命です。知識をひけらかす人なんていません。当たり前かもしれませんが、特別支援学校部外者の私にとっては、それをとってもとってもうらやましく思うのです。さらに反省会では、スパーバイザーの先生が発表者の中に寂しそうにしていた人もいた、そこをなんとか活発に質疑応答できるようになんとか改善しなければとも言っていたほどです。望ましい行動を、どうやって引き出すのか考えていると、必然的に相手の傷つくことや嫌子になるようなことはしないようになるのではないでしょうか。

 いやー ABAってほんとにいいもんですね。




2009年3月5日木曜日

向山洋一先生

大西です。

先日、会社の研修会で向山洋一先生の公演を聴く機会がありました。教育関係ではとても有名な先生だそうで、とても面白くためになる公演でした。

 先生は、伸びる子供の10箇条というのをおっしゃられており、たとえばその1が [甘いジュースを飲まない子] だそうである。この理由として砂糖を食べすぎると、カルシウムがこわれていくそうです。不足するといらいらとして落ちるかなくなります。心の安定がなくなり、意欲低下や集中力の低下につながるそうです。他にも、早寝早起きやテレビやゲームをしないことなどたくさん述べられていました。

 たとえば、生徒に対して [集中して課題に取り組んでもらいたい] とします。 そこでABAを活用すると、先行刺激の整備として、周りの環境を整えたり、目標を具体化したり、後続刺激でほめたり、フィードバックしたり、グラフにしたりするかと思います。

 ただ、このたびの公演を聴き、実は先行刺激に対してもっと大きな介入をすることができるのではと考えました。上記の [集中して課題に取り組んでもらいたい] 場合に、例えばジュースを飲むのを親と相談して減らすことで集中して取り組める時間が増える可能性もあるのではないかということです。

 標的行動の直前の環境設定が、先行刺激の整備と考えがちでしたがもっと大きな視野で、ノートを丁寧に書くことや鉛筆を使うこと、早寝早起きをする、テレビを見過ぎないなど、日常生活で基礎的な事を大事にすることが望ましい行動を生起させる可能性を持っていると思いました。

 僕は教育関係者ではありませんが、そういった考えに至りました。教育の劣化が叫ばれている昨今、教育に関わっており、ABA的な介入などに取り組める徳島ABA研究会の先生方をとてもうらやましくも思いました。

2009年3月1日日曜日

学び手は常に正しい

田中です。今年度は、勤務する小学校でクラブ活動を利用して、通常学級に在籍する気になる児童の支援を行いました。この中で、色々な教材を作ったり、クイズ問題を作成しました。そして、これらの教材やクイズ問題を実際に授業に使う前にテストユーザーにお願いして、ユーザーテストを行いました。すると分かりにくいところが分かって、改善のポイントが見えます。これをもとに、さらに分かりやすくなるよう改善していきます。ユーザーテストを行った教材は、結構子どもにも受けはよかった!!(^^)/

「学び手は常に正しい」

この考え方で、ユーザーテストを繰り返すと本当に質の高い教材や問題が出来上がります。大学院時代に島宗先生からかなりトレーニングを受けました。現場でいかせることが多く役立ちました。

しかし、このユーザーテストを捻出する時間を作るのが大変。そこで、週間課題リストの出番。その週の課題リストとして書き出すことで、何とか実施にこぎつけます。なかなか生起しない行動を引き出すのに週間課題リストは役立ちます。

色々な手を打って頑張ってきたクラブ活動での支援。支援の根底にはずっと、「学び手は常に正しい」があったように思います。来週はいよいよ報告会です。がんばるかぁ。