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2010年1月24日日曜日

回転寿司を分析する

大西@行動分析学勉強中です。
(誤った考え方、分析方法にコメントでアドバイスいただければ励みになります)


 先月、家族で近くの回転寿司(1皿105円)に行った時の話である。時々行く店ではあるが、徳島には去年から新規回転寿司チェーンが進出してきており店も危機感を持っているのか、システムを若干改善していたので報告します。

 まず、店に入るとタッチパネル式の希望座席を選ぶ機械が導入されており、おおよその待ち時間が分かるようになっている。待ち時間が分かるということは、まだかまだかというイライラも抑えられるという利点がある。次に座席を選ぶと、数字の書いた紙が排出されそれを持って待っているというわけだ。以前は店員さんが、次にお待ちの〇〇さんどうぞーーと順番を呼んでいたが、○番をお持ちのかたどうぞーーというふうに名前を呼ばないようになった。よいことである。

さあ、いざ回転寿司を食べるのであるがここからは少し写真を交えながら紹介する。回転寿司といえば名の通り回転してきたお寿司をとって食べるのであるが、最近は回転しているものを取らずに注文する人も多いのではなかろうか?以前までは、玄関のインターホンのようなもので注文を行っていたが次のようなオーダーシステムに変更されていた。


画面をタッチして、好きなものを選べるようなシステムである。これを導入することで、インターホン越しに店員さんとやり取りする必要はなくなり 『特大一貫うなぎ3皿ください!!』 などと恥ずかしさを乗り越えなくとも簡単に4皿でも5皿でも注文できるようになった。これは、本当によいシステムだと思う。間違いなく売上は上がるはずである。(この機械がいくらするのかは別として)

だが、しかし

いくらか問題点も見受けられた。注文方法などは特に問題もなく非常に使い勝手もよく満足したが、お寿司が手元に来るまでが問題ありなのだ。この写真を見てください。


しばらく注文を待っていると、『もうすぐ注文の品が流れてきます』 というアナウンスがあり、このような形で、黒い注文の品と書かれた皿に重ねられて流れてくる。しかし、もうすぐという言葉は具体的ではない上、同様の品がたくさん流れているので自分の皿を選ぶ弁別刺激が見つけられないのである。しかも、先述したシステムは注文しやすいので、注文行動を強化したくさん注文してしまうので到着しますのアナウンスが流れても何を頼んだのかわからなくなっていることもあった。

 そのような状況で、どれが自分の注文なのかわからないことや注文内容を自分で把握していないこと、もしかすると他の人の注文かもしれないものを手にしてしまっていることなどから、結局は最終的に注文の品と書いてある物を躊躇なく手にとる行動が強化されてしまっていたのである。このことより、注文が届かないというクレームが多くあるかもしれないが、お互い違う注文の品を取り合って結局満足して帰ってしまうことが多いようにも思う。現にクレーム等も見受けられなかった。

 ここの回転寿司屋さんは、大金をかけてよい注文システムを構築してはいるが、残念ながら注文の品が正確にお客さんに届いていないようである。しかしながら、人の注文を横取りしても本人はもとより他人からもそれがわからないので、さほど嫌子とはならずお互いが横取りをしあうがケンカにもならないという結果論として素晴らしいシステムになっている。

 毎回のことであるが、学び手はすべて正しい。介入結果が予想と違っていても、それはそれで結果としてよいシステムになっている非常に面白い回転寿司屋でした。次回行った際には、もしかすると注文品の弁別刺激が加えられているかもしれません。

2009年12月27日日曜日

後ろ歩き行動 その後

大西@行動分析学勉強中です。
(誤った考え方、分析方法にコメントでアドバイスいただければ励みになります)

 以前、気になる行動という記事を書いた。それは、人目の多い堤防を中年夫婦が後ろ歩きで毎日散歩しているという行動のことである。僕の考えでは、塵積も型の散歩という行動、行動上注目が大きな嫌悪刺激になるのではないかという分析で、なぜその行動が生起しているのか不思議に思ったことの記事である。

 しかし、それ以来ばったり夫婦を見かけることは無くなった。次に合えば、色々突撃インタビューする予定にしていたのだが残念である。ところが、最近その夫婦の情報を知っている人に出会った。そこで聞いたのが、ショックであったがどちらか一方の方がお亡くなりになり、それ以来後ろ向きの散歩はやめているという事である。

 あくまで想像ではあるが、そのご夫婦は何かのご病気を治すために後ろ向き行動を共に頑張っていたのではないかと考えた。その病気をよくするために、よいと聞いた後ろ向き行動をすることで不安を減らしていたのではないかと思う。

 この一件で、人の思いがけない行動の裏には何か特別な事情があるかもしれない事を知った。人を支援する介護現場で勤務する僕にとっては、考えさせる出来事となった。

 先日、同場所で少し恥ずかしそうに後ろ歩きで坂を下っていたご老人に出会ったので、車を止めて話を伺った。

『こんにちは。ご熱心に運動をされていますね。どうして後ろ向き歩いているのですか?』

『ええ。恥ずかしいけれど、後ろ歩きが血圧を下げる効果があると聞いたからしているのよ。』

体操などを教える僕にとって、後ろ歩きに負けないような指導をしてきたいと思いました。